GPSが屋外で正確な位置を把握できるように、802.11mc Wi-Fi規格は屋内でも同じようなことが可能です。この機能は、しばしばRTTまたは "ラウンドトリップタイム "と呼ばれます。

なぜこれが必要なのか？

誰もがプライバシーを気にする世の中で、屋外の行動だけでなく、屋内の位置情報まで把握されると思うと、ちょっと嫌な気分になりますよね。幸いなことに、ここには実に素晴らしい実用例があります。

802.11mcがゲームチェンジャーとなる最大の理由の1つは、特に大規模施設におけるインドアマッピングです。例えば、行ったことのないショッピングセンターに行ったとき、「あなたはここです」というボードを見つめながらどこに行きたいか悩むのではなく、飛び込んで**そこへナビゲートすることができるのです。室内で！？

これはあくまで簡単な例です。美術館や倉庫、大型の用品店など、同様の施設で活用できそうです。でも、個人的に好きな使い方は、病院での使用です。ほとんどの病院は、大きくて分かりにくい場所です。特に、道を探すことよりも、なぜ病院に行くのかということに意識が向いている人は、屋内ナビで行きたいところに簡単にたどり着けるでしょう。

また、家庭での実用的な使い方もあります。例えば、自宅に複数のスマートデバイスがある場合、デジタルアシスタントに「電気をつけて」とお願いすれば、「主寝室の電気をつけて」と言わなくても、どの部屋にいるのかを正確に判断して、その部屋だけ電気をつけてくれるのです。この技術がもっと豊富になれば、もっといろいろな使い方ができるようになると思います。

なるほど、それでどうするんですか？

802.11mcがあなたの位置を追跡する方法は、非常にシンプルです。基本的には、機器とアクセスポイント間の信号の移動にかかる時間を測定するものです。複数のアクセスポイントがある場合、すべてのアクセスポイントからのデータを使って位置を三角測量することができます。

理論上は、Wi-Fiに接続しなくても、アクセスポイントにPingを送信し、正確な位置を三角測量できるはずです。

しかし、プライバシーはどうでしょうか？

802.11mcを使用するデバイスは、位置追跡を屋外追跡と同じプロトコルに従うように要求する必要があります。アプリケーションは位置情報の許可を要求する必要があり、このデータは屋外トラッキングと同様に匿名化されます。

これはすでに次期バージョンであるAndroid "P "で明らかになっており、他のメーカーも追随してくることは間違いないでしょう。

画像出典：Google/Android Developer Blog